夜間にドローンを飛ばすには

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夜間にドローンを飛ばすことは原則禁止されています。

飛行を行うためには必要な手続きがあり、もしその手続きをしないで飛ばしてしまうと、航空法の違反になってしまい、罰金となってしまうこともあります。

そのようなことがないよう、ドローンを夜間に飛ばすためにぜひ押さえておきたい内容をお伝えします。

夜間飛行とは

夜間飛行とは文字通り、夜にドローンを飛ばすことです。

具体的には日没後に飛ばすということです。厳密には国立天文台が発表する「日の入りから日の出まで」を指します。「国立天文台+日の入り・日の出」などで検索すると出てきます。

地域によっても時間がちがいますし、時期によっても時間が変わってきます。

ただ、ドローンを飛ばすつど、毎回時間を調べて気をつけるというのも現実的ではありません。

実際に業務で夜にドローンを飛ばす可能性があるのであれば、1年間の範囲内で、全国で飛ばすという許可の取り方ができます。あらかじめ許可申請をしておくのがスタンダードです。

夜間飛行をするために必要な手続き

夜間飛行に限らず、ドローンを屋外で飛行させるためには「機体登録」が必要です。

そのうえで、夜間飛行は特定飛行(特定飛行についてはこちらの記事)ですから、許可を取得する必要があります。

申請はDIPS2.0というオンラインの飛行許可申請システムで行います。

具体的には夜間飛行の「承認」申請です。許可と承認という言葉がありますが、手続きとしては許可も承認も同じです。ドローンの場合はDIPSで申請をして、審査が終わって、お許しが出れば飛ばせるようになるという流れです。

飛ばす方の住所、会社の場合は会社の所在地が東日本なら東京の航空局、西日本なら大阪の航空局が申請先になります。

申請後、土日祝日を除いてだいたい10日ぐらいで、混雑していると1ヶ月ぐらいかかることもありますが、夜間飛行できるようになります。

夜間飛行を行う条件とは

夜間飛行を行うための条件として、操縦者はドローンを飛ばすための法律や気象の知識、飛ばし方の知識とそれに合わせて飛行経験が必要です。10時間以上の経験の他に、夜間飛行の経験も最低1時間以上必要になります。

機体についてはライトをつける必要があります。ドローンを飛ばすときは常時の監視が必要なため、飛んでいる位置と向きを確認できる必要があるからです。

DJIのドローンでは、前に赤、後ろに緑のLEDが装備されており、これで機体の位置と向きがわかるようになっています。

また、補助者を配置する必要があります。補助者とは周りに第三者が立ち入らないように注意喚起したり、飛行の経路を見渡せる位置にいて常に操縦者と連絡を取り合い、安全を確保するために配置する人員のことをいいます。

補助者にはドローンを飛ばす訓練まではいらないのですが、ライトの色で向きがわかるとか、何分ぐらいバッテリーが持つかといった、機体の性能については理解しておく必要があります。

独自マニュアルが必要なケースとは

許可申請する際の添付書類として「飛行マニュアル」というものがあります。

ドローンを飛行させる際に守らなければならないルールが記載されており、その範囲を超えた飛行をすると航空法違反となります。

本来は自分で作成して、申請の際に添付するものですが、国土交通省が用意した標準となる飛行マニュアル(国土交通省航空局標準マニュアル)を添付して申請することができます。

しかし、この飛行マニュアルでは飛ばせない飛ばし方があります。その場合は標準の飛行マニュアルをベースに、一部書き換えることが必要になってきます。その書き換えたものを「独自マニュアル」と呼んでいるのです。

夜間飛行を行う時に独自マニュアルの作成が必要なケースで一番多いのが、夜間中に目視外飛行する時です。

標準の飛行マニュアルには「夜間の目視外飛行は行わない。」とはっきり記載されています。

夜間飛行と目視外飛行は、どちらも危険な飛行方法で、それらが組み合わさってより危険な飛行方法になります。標準のマニュアルのような包括的な記載では対応しきれません。個別具体的な安全対策が必要になり、その時に独自マニュアルが必要になってくるのです。

夜間飛行について知っておくべき注意点

夜間中の目視外飛行が危険な飛行方法であることは前項でも述べたとおりですが、それ以外にも「夜間」を組み合わせると危険であるとして、規制されている飛行方法があります。

全国で1年間の許可を取得する、包括申請という申請方法があります。DID地区、人もの30メートル、夜間、目視外での許可を合わせて取得することが多いかと思います。

しかし、これはそれぞれの許可を受けているということであって、組み合わせての飛行を許可されているわけではないことに注意が必要です。

つまり

  • 夜間中の目視外飛行
  • DID地区での夜間飛行
  • DID地区での夜間における目視外飛行

は包括申請では許可されていない、ということなのです。

これらは、飛行経路や日時を特定した個別申請が必要だったり、独自マニュアルが必要になるケースです。

国土交通省航空局のウェブサイトにも注意としてはっきり記載されています。一度ご確認いただけたらと思います。

まとめ

明るい日中に比べて、夜間は機体を見失いやすく、衝突や墜落などの事故も起こりやすくなります。このような危険を防ぐために夜間にドローンを飛行させることが規制されているのです。

夜間飛行の許可を受けずに飛行させた場合には最大50万円の罰金になる可能性があります。

夜間飛行を行う際は必ず航空局の許可を受けるようにしましょう。

この事の執筆者


大西 務(おおにし つとむ)

京都府在住。1974年生まれ。2007年行政書士試験に合格。製薬会社の薬事部門で申請や届出などの業務を10年行い、2019年末に退職。2020年7月に「行政書士大西事務所」を開業→2024年9月廃業。50歳を前にして離婚も経験。温泉好きのいぬバカが書いています。

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