製品が化粧品に該当するかを確認する

化粧品イラスト

この記事の執筆者

行政書士 大西 務(おおにし つとむ)
製薬会社の薬事部門で申請や届出などの業務を10年間行う。2020年7月、行政書士大西事務所を開業。化粧品関連の薬事申請サポートをメインに活動している。1974年生まれ。
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「日本国内で化粧品を製造したい、流通させたい」

そのためには「化粧品製造業」や「化粧品製造販売業」の許可を取得する必要があります。

ただ、許可を取得できたとしても、取り扱う予定の製品が薬機法が規定する「化粧品」に該当しなければ、製造したり、流通させることはできません。

例えば化粧品だと思っていたものが、薬機法上「医薬部外品」に該当するために取り扱うことができなくなってしまった、ということもあり得ます。

薬機法ではどういうものが化粧品に該当すると規定されているのかを確認していきます。

薬機法で規定されている「化粧品」とは 【化粧品の定義】

化粧品に該当するかどうかの判断基準の1つ目として「化粧品の定義」を見ていきます。

薬機法では「化粧品の定義」について以下のように規定されています。

薬機法第2条第3項

この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。

化粧品を使う対象は

対象は「人」のみです。動物用の化粧品など、人を対象としない製品は薬機法上の「化粧品」には該当しないため、規制の対象にはなりません。

これに対し、医薬品や医薬部外品などは動物用でも規制の対象となります。

目的・使用方法・効果により定義される

薬機法で規定されている化粧品の「使用目的」は以下にあげるもののみとなっています。

  • 身体を清潔にする 
  • 身体を美化する
  • 身体の魅力を増す
  • 容貌を変える
  • 皮膚を健やかに保つ

これらの目的で身体に

  • 塗擦(塗る・擦り込む)
  • 散布(振りかける)

などの方法で使用し、「人体に対する作用が緩和なもの」と規定されています。

目的使用方法効果
身体を清潔にする
身体を美化する
身体の魅力を増す
容貌を変える
皮膚を健やかに保つ
毛髪を健やかに保つ
身体に塗擦する
身体に散布する
人体に対する作用が緩和

具体的には化粧品の効能として表示し、広告することができる事項を定めた【化粧品の効能の範囲】 (平成23年7月21日 薬食発0721第1号)で確認することができます。

【化粧品の効能の範囲】(クリックで開きます)
頭皮・毛髪
  • 頭皮、毛髪を清浄にする
  • 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える
  • 頭皮、毛髪をすこやかに保つ
  • 毛髪にはり、こしを与える
  • 頭皮、毛髪にうるおいを与える
  • 頭皮、毛髪のうるおいを保つ
  • 毛髪をしなやかにする
  • クシどおりをよくする
  • 毛髪のつやを保つ
  • 毛髪につやを与える
  • フケ、カユミがとれる
  • フケ、カユミを抑える
  • 毛髪の水分、油分を補い保つ
  • 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ
  • 髪型を整え、保持する
  • 毛髪の帯電を防止する

皮膚・肌
  • (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする
  • (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)
  • 肌を整える
  • 肌のキメを整える
  • 皮膚をすこやかに保つ
  • 肌荒れを防ぐ
  • 肌をひきしめる
  • 皮膚にうるおいを与える
  • 皮膚の水分、油分を補い保つ
  • 皮膚の柔軟性を保つ
  • 皮膚を保護する
  • 皮膚の乾燥を防ぐ
  • 肌を柔らげる
  • 肌にはりを与える
  • 肌にツヤを与える
  • 肌を滑らかにする
  • ひげを剃りやすくする
  • ひがそり後の肌を整える
  • あせもを防ぐ(打粉)
  • 日やけを防ぐ
  • 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ
  • 乾燥による小ジワを目立たなくする
香り
  • 芳香を与える
  • 爪を保護する
  • 爪をすこやかに保つ
  • 爪にうるおいを与える
口唇
  • 口唇の荒れを防ぐ
  • 口唇のキメを整える
  • 口唇にうるおいを与える
  • 口唇をすこやかにする
  • 口唇を保護する口唇の乾燥を防ぐ
  • 口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ
  • 口唇を滑らかにする

  • ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)
  • 歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)
  • 歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)
  • 口中を浄化する(歯みがき類)
  • 口臭を防ぐ(歯みがき類)
  • 歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)
  • 歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)

化粧品として取り扱う場合、 【化粧品の効能の範囲】に規定される56項目以外の効能を標ぼうすることは原則認められません。

「清涼感を与える」、「爽快にする」などの使用感や「化粧崩れを防ぐ」、「みずみずしい肌に見せる」などのメイクアップ効果については事実に反しない限り標ぼうすることが認められています。

「薬用化粧品」は医薬部外品

化粧品に類似するものとして「薬用化粧品」があります。「化粧品」と冠していますが、薬機法上の化粧品には該当しません。

薬用化粧品には、化粧品成分に加えて有効成分が配合されています。つまり化粧品の効能とあわせて治療的・改善的効能をもっているため「医薬部外品」に該当するのです。

化粧品の許可のみでは取り扱うことができず、医薬部外品の許可が必要になります。

【化粧品と薬用化粧品(医薬部外品)の効能効果の違い】

化粧品薬用化粧品
(医薬部外品)
浴用剤肌を整える、皮膚にうるおいを与える など疲労回復、肩のこり、あせも、冷え性、腰痛 など
石けん皮膚を清浄にする など化粧品の効能に加え、皮膚の殺菌・消毒 など
化粧水・乳液肌にうるおいを与える、肌を整える など化粧品の効能に加え、にきびを防ぐ、メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ など
【化粧品の効能の範囲】 の56項目に限られる 化粧品の効能とあわせて治療的・改善的効能を標ぼうできる

化粧品に配合できる成分・できない成分 【化粧品基準】

化粧品に該当するかの判断基準の2つ目として、製品に含まれる「配合成分」があります。

化粧品に配合してはいけない成分や、配合に制限のある成分などが「化粧品基準」(平成12年9月29日厚生省告示第331号)により定められており、この基準に適合しない成分を配合する製品は化粧品として製造や流通させることはできません。

基準に適合する限りにおいて、企業責任にのもとに成分の安全を確認し、選択したうえで配合できるとされています。

【化粧品基準】について

原料全般について

その原料を使用することによって保健衛生上の危険(感染など)を生じるおそれがあるものであってはいけません。

防腐剤・紫外線吸収剤・タール色素で配合可能なもの・その配合量(ポジティブリスト)

防腐剤・紫外線吸収剤・タール色素については原則自由に配合はできませんが、化粧品基準に記載されている成分については制限の範囲内で配合することができます。

「配合できる」もののリストということで「ポジティブリスト」と呼ばれています。

防腐剤「別表第3」に記載の成分で、「100g中の最大配合量」の欄に記載の範囲内で配合できます
紫外線吸収剤 「別表第4」に記載の成分で、「100g中の最大配合量」の欄に記載の範囲内で配合できます
タール色素「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」第3条を準用
(ただし、赤色第219号、黄色第204号は毛髪・爪のみに使用される化粧品に限り配合可能)

一切配合できない成分( 防腐剤・紫外線吸収剤・タール色素以外 )(ネガティブリスト)

以下の成分については一切配合することができません。

「配合できない」成分のリストということで「ネガティブリスト」と呼ばれています。

医薬品の成分添加剤としてのみ使用される成分、別表第2~第4に記載の成分を除く
生物由来原料基準に適合しない成分平成15年5月20日
厚生労働省告示第210号
第一種特定化学物質「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」第2条第2項
第二種特定化学物質その他これらに類する性状を有する物であって厚生労働大臣が別に定める成分 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」第2条第3項
「別表第1」に記載の成分

定められた範囲内でしか配合できない成分(防腐剤・紫外線吸収剤・タール色素以外)(ネガティブリスト)

以下の成分については定められた範囲内でしか配合できません。

「別表第2」に記載の成分「別表第2」記載の成分については「100g中の最大配合量」の欄の範囲内でしか配合できません

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